2009年11月27日

日本でのamazon kindleの3G回線(MVNO+国際ローミング)

AmazonのKindle2を使う機会を得た。ご存知のように、3Gのアンテナを備えた「その場で本が買える」電子ブックであり、表示デバイスとしてグレースケールのe-Inkを採用している。Kindle以前までの悲惨な電子ブックというデバイスの歴史を、「コンテンツの充実」および「リアルタイム購入」の2つの面から塗り替えようという意欲的な製品だ。ハードウェアメーカによる、「コンテンツがついてこず、電子ブックデバイスオタクだけを相手に商売とも言えない商売をしていた」というこの市場に、初めて普及があり得るやり方を持ち込んだわけだ。相変わらず雑誌業界は振り向きもしないであろう、パッとしない白黒端末ではあるが。

もちろん、最初からたくさんの本(を電子化したもの)を用意できたというのも大きいが、おもしろいのはMVNOモデルによる通信料の不可視化だと思う。最初にKindleを入手したら、その後は月額などの維持費はゼロ。通信と言えば「電話していないのに基本料とか施設設置負担金(加入権と言う人も多い)とか」「留守にしていてもインターネット基本料とか」「見てもないのに有料放送の基本料とか」に慣らされてきた消費者。Amazonはキャリアとの間でパケット通信のMVNO契約を結び、利用者からは「本の代金」に見えている収入からその料金を薄く徴収している。さまざまなテスト導入やシミュレーションをしたこととは思うが、誰が何冊ぐらい本を買うかによって回線の利用率はリニアに変化する。よく「紙の本を買うより安く提供し、回線代金を払ってももうかる」という線引きができたものだ。標準化という理由もあるが、ファイルのフォーマットが基本テキストベースであるというのは、パケット通信の経済にも関係しているだろう。

Kindle向けの3G回線として、Amazonは本国アメリカでAT&Tと契約しているとのこと。しかし、ユーザは今どこの3G回線のパケットで本を購入したのかわからない。わかる必要がないからだ。日本でもKindle2は売られているし向こうで購入したものを持ち込んでもいわゆる「アンテナが立つ」。つまり、これは国際ローミングなわけだ。AT&Tと物理的にローミング可能な日本の事業者は現在ドコモとソフトバンクであり、実際にもAT&Tの日本向け国際ローミングサービスはこの2社を対象にしている。Amazonは日本でどの3G事業者の電波を使うのか現時点では発表していないし、Amazonのエリアマップとソフトバンク・ドコモの3Gエリアマップを見比べても、いまいちよくわからない。ただ、どちらかの電波しか届かないところで試せば、ちゃんと両者の電波を利用可能であることがわかった。

電源をオフにしたソフトバンクのリピータ(ホームアンテナ)の横では、電波ゼロ本。
kindle-softbank0.jpg

でもホームアンテナの電源を入れると、バリ5が立つ。
kindle-softbank1.jpg

同じく、ドコモのリピータの前でもこの通り。
kindle-docomo1.jpg


なお、Kindleからは一般のウェブサイトも閲覧できる。これは完全無料ということになるが、グレースケールでありものすごく遅いので、正直使い物にならない。というわけで、パケット料金でAmazonに打撃を与える人はあまりいないだろう。今のところウェブサイト側から見ると、ドコモ経由でもソフトバンク経由でも、一旦ローミングされたAmazon専用と思われる共通のゲイトウェイ8.18.145.239経由で、
Mozilla/4.0 (compatible; Linux 2.6.22) NetFront/3.4 Kindle/2.3 (screen 600x800; rotate)
というUAになるようだ。
posted by akko at 01:09| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/142661152
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。