2011年03月28日

UPSの容量ともち時間

東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に関係し、UPSが売れているらしい。
どのようなものを購入すればいいのか何度か質問を受けたので、記録しておこう。
もともと、UPSというのは「PCなど突然の電源断が困る機器に、正常なシャットダウン
手順を踏ませる数分程度の電源を与える」目的で開発されているものが多い。
よって、今回の地震に伴う計画停電(輪番停電)のような数時間の停電に対しての
非常用電源という目的には、そぐわない。本来であれば、UPSによってかせいだ
数分の時間によって、非常用発電機を始動するなどの使い方が正しいと思われる。


この「UPSが停電の際のバックアップ電源として働く(ほどの容量を持っている)」
という誤解は、以下の UPSの「もち時間」の誤解と絡み、非常に広く流布して
しまっているようだ。

大手 UPSメーカのスペックは、どれも誤解を招きやすい表現が見受けられる。
スペックで目に付く「容量」は、電源がどのぐらいの時間もつかとは関係ない。
この「容量」は、ブレーカの容量と同じ意味で、最大何 Wの負荷がつなげられるか
を示しているに過ぎない。じゃぁその負荷で何分もつの?と言うと、これが
端的に書かれている商品がほぼないことに驚く。エネループなどの充電池には、
目立つところに「2800mAh」などという、ある負荷で何分もつかの目安となる
スペックが書かれているが、どういうわけかUPSの世界にはこの文化がないようだ。

UPSを購入する時は、時間パラメタをよく見よう。スペックのどこかに「120VAh」
などの時間(h)を含む単位があれば、それから算出しよう。もしなければ
電池を調べ、たとえば 12V-5Ahの電池が 2個はいっていたら、それは 120VAhだ。
これを UPSの直流-交流変換効率と力率を考慮して目減りさせてから
正しい消費電力で割れば、だいたいのもち時間が出るだろう。
UPSの効率と力率とを合わせて低く見積もって 1.5とし、30Wの蛍光灯を
つないで使いっぱなしにしたとすれば、120÷1.5=80、つまり 3時間 40分
前後もつだろう、という目安が得られる。実際はUPS側だけでなく負荷側の
W数にもいろいろあるので、あくまでも目安だ。

この目安の計算方法がわかっていれば、「UPSに 2000Wとか3000VAとかの大きい
数値が書いてあるから、1kWのクーラーぐらい動くだろうと思っていると、動くことは
動くが数分で止まってしまって泣きを見る」というような悲喜劇はなくなることだろう。
posted by akko at 13:42| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年11月27日

日本でのamazon kindleの3G回線(MVNO+国際ローミング)

AmazonのKindle2を使う機会を得た。ご存知のように、3Gのアンテナを備えた「その場で本が買える」電子ブックであり、表示デバイスとしてグレースケールのe-Inkを採用している。Kindle以前までの悲惨な電子ブックというデバイスの歴史を、「コンテンツの充実」および「リアルタイム購入」の2つの面から塗り替えようという意欲的な製品だ。ハードウェアメーカによる、「コンテンツがついてこず、電子ブックデバイスオタクだけを相手に商売とも言えない商売をしていた」というこの市場に、初めて普及があり得るやり方を持ち込んだわけだ。相変わらず雑誌業界は振り向きもしないであろう、パッとしない白黒端末ではあるが。

もちろん、最初からたくさんの本(を電子化したもの)を用意できたというのも大きいが、おもしろいのはMVNOモデルによる通信料の不可視化だと思う。最初にKindleを入手したら、その後は月額などの維持費はゼロ。通信と言えば「電話していないのに基本料とか施設設置負担金(加入権と言う人も多い)とか」「留守にしていてもインターネット基本料とか」「見てもないのに有料放送の基本料とか」に慣らされてきた消費者。Amazonはキャリアとの間でパケット通信のMVNO契約を結び、利用者からは「本の代金」に見えている収入からその料金を薄く徴収している。さまざまなテスト導入やシミュレーションをしたこととは思うが、誰が何冊ぐらい本を買うかによって回線の利用率はリニアに変化する。よく「紙の本を買うより安く提供し、回線代金を払ってももうかる」という線引きができたものだ。標準化という理由もあるが、ファイルのフォーマットが基本テキストベースであるというのは、パケット通信の経済にも関係しているだろう。

Kindle向けの3G回線として、Amazonは本国アメリカでAT&Tと契約しているとのこと。しかし、ユーザは今どこの3G回線のパケットで本を購入したのかわからない。わかる必要がないからだ。日本でもKindle2は売られているし向こうで購入したものを持ち込んでもいわゆる「アンテナが立つ」。つまり、これは国際ローミングなわけだ。AT&Tと物理的にローミング可能な日本の事業者は現在ドコモとソフトバンクであり、実際にもAT&Tの日本向け国際ローミングサービスはこの2社を対象にしている。Amazonは日本でどの3G事業者の電波を使うのか現時点では発表していないし、Amazonのエリアマップとソフトバンク・ドコモの3Gエリアマップを見比べても、いまいちよくわからない。ただ、どちらかの電波しか届かないところで試せば、ちゃんと両者の電波を利用可能であることがわかった。

電源をオフにしたソフトバンクのリピータ(ホームアンテナ)の横では、電波ゼロ本。
kindle-softbank0.jpg

でもホームアンテナの電源を入れると、バリ5が立つ。
kindle-softbank1.jpg

同じく、ドコモのリピータの前でもこの通り。
kindle-docomo1.jpg


なお、Kindleからは一般のウェブサイトも閲覧できる。これは完全無料ということになるが、グレースケールでありものすごく遅いので、正直使い物にならない。というわけで、パケット料金でAmazonに打撃を与える人はあまりいないだろう。今のところウェブサイト側から見ると、ドコモ経由でもソフトバンク経由でも、一旦ローミングされたAmazon専用と思われる共通のゲイトウェイ8.18.145.239経由で、
Mozilla/4.0 (compatible; Linux 2.6.22) NetFront/3.4 Kindle/2.3 (screen 600x800; rotate)
というUAになるようだ。
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2007年09月05日

技術の評価

10年ほど前だっただろうか、まだ学生の頃、MSのClearTypeという技術が局地的に話題になったことがあった。似たような技術はサブピクセルなどとも言われるようだ。これは、1ピクセルが物理的にいくつかのセルで成り立っているようなディスプレイにおいて、見かけの解像度を上げる工夫だ。例えばある液晶のピクセルが[R][G][B]という発光体で成り立っている場合、斜めの線を表現する際のアンチエイリアシングの要領でそれぞれの濃淡を調整すれば、「白地に黒文字」のフォントの解像度を横方向にのみ増やすことができるだろう。

一目見て、私はこれを「理系バカによる自己満足のゴミ技術だなぁ」と思った。しかし、この記事をすごいと言って見せてくれたのは研究室の先輩だったため、私は少しばかり混乱してしまった。

液晶などの規格に関しては全く知らないものの、RGBの配列が定められているわけではないだろう。これを全メーカーで将来まで揃えるつもりなのか? 回転して縦横両方向の姿勢で使えるディスプレイにはどう対応するつもりか? 正方形ピクセルでないデバイス(六角形の配列・複数ピクセルで一色を表示する方式、などが考えられる)にはどうするのか? RGBでないデバイス(CMYKなど)は想定できなかったのか?

これらは、ディスプレイのしくみや市場を知っているかどうかにあまり関係しない、ちょっと考えれば、または考えるまでもなく出てくる疑問である。それだけに、少なくとも同じ程度の工学的な素養を持った人の評価が高いのが不思議であった。例えば次世代ディスク(BDとHD DVD)の普及に関しては、技術的な評価よりも政治的な判断が結果を左右するだろうが、純粋な技術的評価、もっと言えば「一見してすごいかすごくないか」というところに効いてくるのは、やはり「センス」というものなのかもしれない。

年月が経ち、この技術も一般のPCに普及しているようである(CMYKの電子ペーパーは普及していないようだ)が、そのようなソフトにはやはりRGBの並びを選択させる設定画面がついていたりなんかして、トホホ感が満点。やはり、イマイチであるという印象は否めないのでした。
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2007年09月02日

どうしようもない駄目フォント「Arial Unicode MS」

ユニコードに対応し、日本語のグリフ(文字形)がまともなものはあるのだろうか。手持ちのマシンでプレインストールのフォントを見ると、Unicodeっぽいフォント名のもので日本語の文字が入っているものは「Arial Unicode MS」というものしかないのだが、これがまた途方もなくひどい。変すぎる。

font01

どうだろうか、小学生の書いた文字のようではないだろうか。アジアの怪しい街角や「SOMY」などといったニセモノの取扱説明書も思い浮かぶ。美意識、価値観などというものではなく、一見して全く使い物にならない。

とにかく「ヘタクソな字」であり、ひとつとしてまともなひらがなカタカナが無いように見える。また、文字としてのバランスや大きさのふぞろいによって、文字が踊っているようにも見える。へた字として選んだのでなければ、デザイナーは非日本人だろう。全世界に普及するようなものならある程度のチェック体制が敷かれているように想像するが、どうしてこんなことになってしまったのだろうか。

font00

■ 遠目に見た際の文字の「濃さ」の非統一感はどうだろう
■ 「か」「そ」「み」「り」「ネ」「ヤ」の不恰好さはなんだろう
■ 「ら」「ろ」はなんでこんなに傾いているのだろう
■ 「エ」「コ」「ユ」はなんでこんなに大きいのだろう
■ 「ぁ」「ゃ」「ッ」などの小さい字が、なぜ中心近くに位置しているのだろう

今のところ、Web上であまり話題になっていないように見えるのは、まだこのフォントの存在が知られていないからなのだろうか。だといいのだが、心配なのは「見慣れてしまう」ということだ。Windowsの普及に見られるように、決して最善とは思えないデザインやUI・規格などが、世界を制してしまうことはよくある。Unicodeということで「仕方なく」このフォントを使っているという自覚があればいいのだが。

ひらがなは日本の文化である。Unicodeが普及する前に何とかしないと、大げさに言えば日本の文化の一部が破壊されてしまう。
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2007年07月07日

iPhoneとスマートフォン・ケータイとの比較

すでにいろいろなところで言われているが、検索すると発表前の推測や日本と北米市場の違いを無視した論調、根拠のない予想なども多いため、覚え書きとしてあらためてスペックの比較をしてみた。なお、私は日本の、しかもいなかに住んでいるため、iPhoneは入手していない。
 
  iPhone Windows Mobile スマートフォン 日本のケータイ コメント
文字入力 ソフトキーボード ソフトキーボード and/or QWERTYキーボード テンキー 画面に表示されるソフトキーボードは物理フィードバック感覚がなく、手探りの入力もできず使いにくいと言われている。特に日本のユーザーはテンキーでの長文入力が得意。ただしiPhoneの日本語入力はPOBoxの増井さんが作っているから安心というウワサも。
着メロ 貧弱 任意で設定可能 着メロフルなど 公式メニューの課金でパケット代とコンテンツ代を取れる着メロというシステムはすごい。CD持ってても着メロにお金を払ってくれる日本人はすごい。
ゲーム なし 多数ダウンロード可能 多数ダウンロード可能 ゲームができるiPodはあるのに、iPhoneはゲームに対応していない。
メンテ性 特殊ネジなど 特殊ネジなど iPhone以外は、電池の交換はもちろん、汎用ネジやステッカー対応などにより生産修理の容易さとユーザーのアクセスブロックの両立が実現されている。
MMS なし 対応 対応 ケータイメール(MMS)が使えないなど、お話にならない。
絵文字 考慮されないと思われる メーカー独自実装のものもあり 対応 絵文字などは日本の文化とも言える。ケータイの方が利用されている現状、PCとの互換性など必要ないという意見も。
カスタマイズ性 なし あり あり iPhoneはアプリのインストールができない。メニューも変えられず効果音系も貧弱、さらにストラップホールもついていない。
視覚エフェクト あり あり あり eMobile EM ONEの 3D Boxや HTC TOUCHなど、iPhoneに負けてはいない。そういうメニューから立ち上がるのは、結局普通のIEだったりするが。
公式サイト 考慮されないと思われる 表示不能 対応 とにかくインターネットとは別の閉じた世界しかユーザーに見せず、しかもキャリアがお金を取れるしくみにしたというのは、すごい。
カメラ 貧弱 動画あり、自分撮り用なども 動画、自分撮り、フラッシュやライトなども  
GPS 現状なし 現状なし(海外モデルではあるものも) 対応のものが多い 日本版E911指令とは別に、キャリアによってはアプリもこなれて普及期に入っている。
音楽 iTunes / iPod Windows Media Player いろいろだが、楽曲購入ができる iPhoneは楽曲の直接購入ができない。Lismoなどの方が便利。
ワンセグ 考慮されないと思われる 現状なし 人気があり、搭載機種が増えている  
おサイフ 考慮されないと思われる 現状なし 人気があり、搭載機種が増えている  
ゼスチャ動作 マルチタッチによるつまみ拡大、重力センサによる画面回転など ゼスチャは対応しているものもあり タッチパネルや重力センサは、対応しているものもあり htmlや画像が「つまんで拡大」できることに意味があるかは疑問。また、iPhoneはゼスチャを優先することにより、文字列選択とコピーペースト機能をなくしてしまった。
フルブラウザ よくできている 表示可能 表示可能 iPhone Safariは使い勝手がよく、非常に高速。ただしFlashは表示できない
ブランド まあまあ、ただしPCシェアは5%未満 HTC、東芝、シャープなど一流企業 すばらしい知名度の大企業 HTCは「Windows Mobile搭載の携帯端末機器市場で世界シェア約80%を誇ります」とのこと。ケータイメーカーも、世界に名だたる企業ばかりである。

総じて、iPhoneはかなりダメダメであることがわかる。これ以外にも、
ツメで操作できないから女性に受け入れられない
■ 薄すぎ、またすべりやすく不安
■ 折りたたみでない
■ 高い(これはインセンティブのしくみを知らない故の誤解だと思われる)
■ 全面ガラスで指紋が付くからイヤ
■ プラグのスリーブが細いヘッドフォンでないと入らない
■ "脚"がないから机に置くとすぐ傷が付く
■ 日本でキャリア越えができないSMSの表示に凝られても意味がない
■ ビジネス用途にはセキュリティなどが心配
■ 今更2Gなのは理解に苦しむ(米国は3Gが遅れているからしょうがないんですよ)
■ Office機能がない(一応メールに添付されたExcel書類やPDFは表示できるが、編集はできずファイルとして扱うこともできない)
などネガティブな意見が非常にたくさんあるようだ。ところが、それにもかかわらず実際にさわってみると

  iPhone Windows Mobile スマートフォン 日本のケータイ
楽しさ ×

となるらしい。とても不思議なことである。
posted by akko at 18:23| Comment(17) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月01日

ケータイの値段

最近、モバイルビジネス研究会のおかげか、一般のテレビなどでもインセンティブなどという言葉が聞かれるようになってきた。とは言え、モビ研の第一回目の様子を見るだけで会の方向性は予想できるわけで、なかなか物事が浸透していくのは遅いものだ。もちろんキャリアは大手広告主さまであるから、その取り上げ方もあからさまにネガティブだ。利用者が払う月額使用料(通話料など)が、比較すべき他国に比べて倍以上であるなどという事実など、露ほども匂わすことはしない。
 
  「ケータイが8万円とかになるかもしれないんですが、どう思いますか?」
 
  「えー、超いやー」「ありえなーい」
 
しかし噂によれば、近々SIMロックなしの外資系スマートフォンが市場に並ぶのだと言う。ちょっと前からノキアがやっているが、SIMロックなしのスマートフォンではあるもののパケット定額が全く適用されないしくみになっており、「単に売っているだけ」の状態である。今回、それに対しての答が出たということだろうか。もしそうだとすると、おもしろい。総務省の意向通り、キャリアの搾取してきたインセンティブ分の月額を引いた使用料のプランが出るかもしれない(今までは、SIMだけの契約はできるが、プランによってどこが定額と扱われるかわからないという、とんでもない状態だったようだ)。

さらに裏の取れない噂によると、AppleはiPhoneの2年間独占キャリアを勝ち取ったAT&Tに対して、月額のウワマエをはねるらしい。

■ 日本の3キャリア
 仕様はもちろん、型番や市場投入計画まで決める
 その代わり、メーカーを殺さない程度に、メーカーに開発費をバラまく
 販売会社に1台4万円程度のインセンティブをバラまく
 他国に比べて割高な月額基本料・通話料・パケット通信料と、公式メニューの課金とで、開発費やインセンティブを補ってなお余る荒稼ぎ
 iモードやFeliCa(おサイフケータイ)、ワンセグや着うたフル系のしくみなど、国際標準やデファクトスタンダードから外れた仕様を強要 
 
■ AT&T
 iPhoneは売れると見込んで、月額の一部を上納する2年間の独占契約を勝ち取る
 端末はAppleの言いなり、留守電に関してネットワーク仕様も変えさせたらしい
 それでも初日に10万台は売る(これは確実と見られている)

このギャップは埋められるのだろうか。少なくとも、今までずっと上から押さえつけられていて作りたい端末も作れず(一説によると、メーカーが口を出せる範囲は2割だそうだ)、完全に弱体化してしまった日本のメーカーはキレまくりだろう。「Appleだったらいいのかよ」である。
 
もちろん、Appleだったらいいんだよ、と言うこともできる。なぜなら、Apple以外はあんなもの作れないから。iPodやiTunesの使いにくさを見てもわかるように、Appleはマーケティングや調査からは浮かび上がってこない、しかし売れるというシロモノを作ることができる。日本のメーカーが、会社の命である商品企画や開発会議にまで怪しげなコンサル会社や素人集団を入れ、マーケティングの自己陶酔という魔力にはまっているのとは大違いだ。DxCxMxに「Appleだったらいいんだよ」と言う権利と勇気があるかは大いに疑問ではあるが、しかし誰かが言わなくてはならない。日本以外のケータイ業界はこんなにも歪んでおらず、iPhoneを売るハードルはこれほど高くないのだが、かと言っていつまでも日本だけiPhoneが使えないというのも考えにくいからだ。

新規キャリアは通信方式とエリアの両面から、残念だがないだろう。となると、ついにMVNOだろうか。ただしこの場合はSIMが入っていないわけだから、現状のように「購入し、持ち帰ってiTunesにつなぎ、アクティベート」というスマートな流れにはならないだろう。ならばやはり独占契約か。しかしその場合は、キャリアの持つ既存サービス(Napster他の音楽ダウンロードなど)との正面衝突や上述のメーカー問題が噴出する。いずれにせよ、3キャリアやメーカーが口をそろえる「インセンティブ排除や端末自由販売をしたら、端末価格が高騰して全然売れなくなる」という「自業自得」には、「日本と同じインセンティブ天国だった韓国がインセンティブ廃しても、高機能端末は売れていますが?」「ていうか、iPhoneは何十万台も売れるみたいですが?」と簡単に反論できてしまう。


iPhone、いろいろ楽しみである。総務省は「いや、そうじゃないんですよ、国内産業の活性化を…」と言うだろうが。
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posted by akko at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年06月29日

musicgremlin、WMDRM10、Portable Device

知り合いが出張帰りにおもしろいものを買ってきた。おもしろいけどちょっと…という、私好みの製品だ(笑)。二日間限定でお借りしたので、遊んでみよう。

 musicgremlin ← 本家サイトをご覧いただきたい。

Amazon.comで売っているが、今日現在、US以外からは購入できない。もちろんコンテンツプロバイダとの契約にも絡んでいるのだろう。

起動してみる。トホホなキャラクタがいい味を出している。基本的にはWMDRM10-MTPミュージックプレイヤ(Portable Device)+WiFi(WMDRM10クライアント)+自社eコマースサイト。サブスクリプションとアラカルトで曲を購入でき、おまけとしては「どこにいるかわからない知らない人のプレイリストからの曲ダウンロードやBuddyの設定・デバイス同士のAd-Hoc通信での交換・FMラジオ・WiFiオフでのUSBチャージ」など。

mg_boot0.jpg

▲これがmusicgremlin君。

外観は、東芝や韓国メーカーを始め世界中がiPodのマネッコをしている流れ:「ちょっと似てるけどどうもカッコ悪い」を踏襲している。正面に十字キーがあるのに、側面にFF/RW・Play/Pause・Volume Up/Downを付けてしまう辺り、なかなかである。

ガワだけでなく中のGUIもかなり混乱しており、正直「台湾メーカーがヤッツケで作ったボードのリファレンスデザインソフトウェア」レベル。そういえばWiFiにつながった途端にFirmwareを勝手にダウンロードしていたが、購入時とそのソフトとはメニュー構造からして違っていたような気がする。バグフィックスとかいう問題じゃないのね。ちなみにmac-address ouiは00-80-3Fで、台湾のTATUNG COMPANY(大同公司)が製造に関わっているらしいことがわかる。

mg_playdown0.jpg

▲Play画面。下のアイコンは左から、Play/Pause・電波状態・ダウンロード中1ファイル・Mailbox(非表示中;ダウンロード失敗などのサーバからのメッセージが届くと、封筒アイコンが表示される)・Community・電池充電中、を表す。

曲をサブスクリプションまたはアラカルトで購入させるビジネスなので、買ってきたばかりの本体は、ネットワーク的にアクティベイトしないと使えない。クレジットカード番号を登録するわけだが、方法として「1)カード番号や個人情報を電話で伝えてアクティベイションコードを得、それを本体に入力」「2)カード番号や個人情報をWebで入力してアクティベイションコードを得、それを本体に入力」「3)本体でちまちま全情報を入力してそのまま送信」という3つが用意されている。3)の場合、情報は本体に残らないようであり、WiFiが繋がったときはサーバとの間でGremlinIDを使った認証が行われると考えられる。

mg_serviceplan0.jpg

▲本体で登録 ― サービスプランを選択。

mg_registered0.jpg

▲本体で登録 ― 登録成功。

mg_activate0.jpg

▲Webで登録 ― 表示されたActivation Codeをmusicgremlinデバイスに入力。

マイクもLine Inもあるが録音はできない。WiFi経由でそのうちアップデート対応するのだろう。Firmwareのバージョンは「Settings > About MG」のSoftware Versionで確認できるが、その2行下にある「DB version」というのも時々アップデートされるようだ。これはサーチの項目らしく、つまりArtistsやTracks、Albumsなどでサーチ(しかもincremental search)を本体でやる場合に、その都度通信が発生してはたまらないので、ローカルに持っておくということだろう。

Web上で曲の管理ができる=Web上でアカウントを作る、ということになるが、3)の場合はその後デバイスの情報とWebアカウントを結び付けなければならない。ここでGremlinIDと(すでに本体からも送信している)住所のZip Code、そして"Device Security Code"の入力が求められる。最後のものはデバイス上の"PIN Code"と同じと考えられるが、設定したPIN Codeはすぐにサーバへ送られるわけではなく、しかもWeb側でのデフォルトは0000でいいようだ。すなわち、本体で変更しておいたPIN Codeは効かないことがあるようだ。ここらへんも、なんだかなーという感じ。

"Device Security Code"
"Security Code"
"Device Security PIN Code"
"PIN Code"は全て同じものを指す。


USBを繋いでも wizardが立ち上がり、結局 driverが見つからないことがあるようだ(%winroot%\System32\Drivers\wpdusb.sysがないなど)。その場合
  WindowsMedia-KB891122-x86-JPN.exe
をMicrosoftのサイトからインストールすることで繋がるようになる。

mg_wifiusb0.jpg

▲WiFiとUSBとは同時利用できない。


繋がるとPCのローカルのトップに「オーディオデバイス」カテゴリが現れ、種類:ポータブルメディアデバイスとして MusicGremlinがマウントされる。デバイスを右クリックすると「形式…」などという選択肢が現れるが、それを選ぶとフォーマットに対する警告が現れる。fotmat―(直訳)→形式、か。フォーマットするとMusicGremlinのシステムも消えてしまい、再起不能になるのかな? 試す勇気は無い。いずれにせよ、Windows側でのMTPデバイスの扱い自体も、まだこなれていない印象。

mg_wifiscan0.jpg

▲野良アクセスポイントスキャナとしても使える。アイコンは上から、WEP解除接続中・WEP・プロテクトなし・WEP解除ローミング・WPA(解除不可)。


スペック
MG-1000
2' color LCD (220x176 pixel)
8GB 1.8' HDD
WiFi 802.11b WEP対応 WPA非対応(ソフトウェアアップデートで対応か?)
FM 88.10〜107.90MHz
Line In端子と内蔵マイクはあるが、使えない(ソフトウェアアップデートで対応か?)
USB 2.0 MTP
DC5V 3A
103mm x 62mm x 19.5mm・120g

NetChip NET2272
 16/8-bit Hi-Speed USB 2.0 Local Bus Device Controller
Intel F160C3BD
 3 Volt Intel(R) Advanced+ Boot Block Flash Memory
Intel PXA255
 Intel(R) Xscale PXA255 Processor
Wolfson Microelectronics WM9711
 Low Power Audio Codec for Portable Applications
Philips T1211
 TEA1211 High efficiency auto-up/down DC/DC converter
SAMSUNG K4S563233F
 2M x 32Bit x 4 Banks Mobile SDRAM in 90FBGA
NIIGATA SEIMITSU NS953M-13
 I2C FM Tuner Module
(WiFi)
 不明、20mm x 20.5mmぐらいのシールド
SEAGATE 8GB ST1.2 Drive
 1.2' 8GB ATA HDD


Software Version pr020148 メニュー構造

+ My Music + Recent Downloads
      + Playlists
      + Artists
      + Tracks
      + Albums
      + Gremlists
      + Current Playlist
+ Get New Music + Search Artists
        + Search Tracks
        + Search Albums
        + Search Genres
        + Search MG Gremlists
+ Community
+ FM Radio
+ Download Manager
+ Get Connected to Wi-Fi
+ Mailbox
+ Audio Help Guide + Welcome to MusicGremlin
          + Menu Buttons
          + Side Buttons
          + Registering Your Product
          + Subscription vs. Purchasing
          + Playing Music and Other Options
          + Connecting to Wi-Fi
          + Searching for New Music an Downloading
          + The Download Manager
          + What is the Mailbox?
          + Community and Music Sharing
          + Creating Playlists on Your Player
          + Gremlists - Get Music Sent to You!
          + Ad Hoc Wi-Fi Mode
          + Transfers to/from Your PC
          + Using the MG Website
          + Quick Tips: Best Power Use
          + Quick Tips: Wi-Fi
          + Quick Tips: Searching and Downloading Music
          + Software Updates
          + Troubleshooting Wi-Fi
+ Settings + Shuffle On/Off
      + Adjust Time of Day
      + Wi-Fi On/Off (Save Power)
      + Preferred Wi-Fi Networks
      + Show My IP Address
      + Memory Check
      + Show GremlinID
      + Enter PIN Code
      + Activate Device / Register
      + About MG
      + Restore Factory Defaults
      + Report Device Data to MG


Audio Help Guideは親切。Restore Factory Defaultsを実行すると、購入・ダウンロードした曲は全て消えてしまう(Guideの音声やWiFiのアクセスポイント設定は消えない)。いろいろやっていたら時計が−1年12月31日になってしまい焦ったが、Factory Defaultsに戻してから再度アクティベイトし、しばらくしたら自動的に時間が設定されて再度聞けるようになった。なお、WMDRM10的に保護されたバックアップファイル(エクスプローラでmusicgremlinからコピーしただけ)をmusicgremlinに書き戻す際には、「デジタルライセンスで保護されています」という警告が現れる。PC上のWMPで一旦少しでも再生すれば、Web越しにライセンスを取りに行くので、その後なら書き戻せる。

Power Buttonを下に2秒ぐらいずらすことで電源を on/offするが、Onの時に6秒ぐらいホールドして離すとpowering offと出て(スリープではなく)完全に電源が落ちるようだ。ここで[up]キーを押しながらonすると、manufacture modeで起動する。[down]キーだとHDDチェックを数秒行うようだ。

mg_poweroff0.jpg

▲Powering Off。


mg_manufacture0.jpg

▲製造時に使うと思われる各種チェックモード。


ところで、本体下中央(USBコネクタのすぐ下)にリセットの穴がある。同じぐらいの穴が本体上部左(ヘッドフォンコネクタの横)にあるが、こちらはマイクらしい。ダイヤフラムをクリップで突き破らないよう注意しましょう(笑)。





[MTP]
USB経由でファイルをセキュアにやりとりするためのしくみ。Microsoftとしてはポータブルプレイヤを、マスストレージクラス(MSS)上で扱うのではなくこのプロトコルにしていきたいようだ。PlaysForSureの要件もこちらに統一される見込み。

[ポータブルデバイス]
PD。iPodを除くとあまり盛り上がっていない、一連のプレイヤ。WMDRM10の時限ライセンスに対応させるため、セキュアなクロックが必須と考えられる(時計を戻せばライセンス切れを回避できてしまうから)。通信機能が付いていない場合は、ライセンスサーバからのライセンスをホスト経由で受け取るしかない(ILA;Indirect License Acquisition)が、musicgremlinの場合はそれに加えてDLA(Direct License Acquisition)にも対応しているということになる。



WMDRM Portable Device Network Device Cardea Janus
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2006年06月26日

Skype、Fax、電話

NTT固定電話を廃止しようと考えた。2006年現在、私の家ではもはや

○ ふざけた会社がそのサービス申し込み時などに「携帯電話ではなく固定電話の番号をお書きください」と言った場合に番号を記入する時

○ Faxを送る時

ぐらいしか使わない。しかも数ヶ月に1コールぐらいか。

Skypeは日常的に使っているので、SkypeInで日本で050番号が取れるようになった2006年2月からこっち、移行の検討が可能になっていたのだが、なんやかんやで調べていなかったので調べてみる。

ポイントは一つ。上の「ふざけた会社」のことはとりあえず置いておこう。

● Faxは使えるのか?



その前に、まずSkypeとは何か。

KaZaaという人気P2Pファイル交換プログラムを作ったNiklas ZennstromとJanus Friisが、同じP2Pのしくみを通話に応用したものが始まり。2002年創業、所在地はルクセンブルグ。2005年9月、eBayによって26億米ドルで買収された。

ユーザーはSkype Nameで識別され、音声の配信は「Super Node」となったSkypeソフトによってP2P中継される。アカウントを管理する Login Server以外は明示的なサーバーはなく、Skypeソフトの入ったPCの一部の群が「Super Node」という連携的なサーバーとして働くようだ。CPUや回線の余裕・グローバルIPアドレスなどの条件をSkypeソフトが見て、動的にSuper Nodeが割り当てられるらしい(これだと、太い回線を従量で契約している場合には「自分に関係ない通信にお金を払う」可能性があるという、P2P転送全般の課題がある−「Super Nodeにならないようにする」という契約が成り立つかもしれない)。Super Nodeは、配下にあるいくつかのクライアントのオンライン状態管理・Skype Name名前空間ディレクトリの分散管理(分散ハッシュテーブルか)・他のSuper Nodeとの連携・音声の中継などを行う。音声の中継は、複数のpathで中継されることもあるようだ。

ライブドアは2004年11月に、Skypeから日本での独占的パートナーシップ契約を獲得した。それ以来Skypeの販売チャネルを担っているようだ。

IP電話網とのゲートウェイがある国では、Skypeに電話番号を割り当てるSkypeIn(Skype以外からSkypeへ電話できる)やSkypeOut(SkypeからSkype以外に電話できる)のサービスが順次開始されている。またIM/チャットや多人数会議、テレビ電話機能もある。現状Skype同士の会話は完全無料であるものの、このSkypeIn/SkypeOutにはチャージされる。ゲートウェイではお金が取られるハズなので、当然である。

2006年 5月には日本の関連企業の団体ができたようだ(SPCJ)が、いまいち盛り上がっていないようにも見える。

さてここまで調べたが、なんと最初の問題「Skypeで Faxは使えるのか?」の直接の答は得られていない。かろうじて
http://www2j.biglobe.ne.jp/~ClearTK/atm_fr/m051008.htm
にて間接的に否定されているだけである。一方で、「persol PBT001(USB-電話コンバーター)」のような製品で使えたという報告はいくつか見つかる。みなし音声によるFAXの利用は、「個人ユースレベルでは」使い物になると考えていいのだろうか。どなたかお教えくださると幸い。

安いので、そのうち買って実験してみるかな。


[*] P2P
IPのしくみが既にPeer to Peerと言うこともできるが…2006年現在の日本ではほぼ「ルーティングやアドレッシングがアプリケーションレイヤで行われているソフト、特にファイル交換で使われる」ぐらいの意味。マスコミ認識は「なんか情報漏洩が起きるヤバいもの、Winnyのこと(最近ではShareってのもあんのか?)」という感じ。

[*] P2Pファイル交換ソフト
Napster(元祖、1999年、インデックスサーバーあり、多くの訴訟により2001年サービス停止、再開後は商用)・Gnutella(インデックスサーバーを持たない元祖)・KaZaA(2003年頃420万同時接続ユーザ、2006年3月の推計で全インターネットトラフィックの1/3、FastTrackネットワーク)Morpheous・BitTorrent(匿名性非重視、2006年5月商用発表)・WinMx・Winny(下記)・eDonkey(2005年にユーザー数でBitTorrent上回る)など。

[*] Winny
47氏(開発者金子氏)、WinMXの後継、Antinny、…。まとめると「2002年5月にβ版が公開された、匿名性を高めたP2Pファイル交換ソフト。2003年8月、Winnyを使って情報を暴露するウィルスが観測される。2003年11月、ACCSの協力もあり京都府警が2人の利用者を著作権侵害の疑いで逮捕したが、その後すぐに2004年3月には京都府警から捜査情報などが流出。その後も北海道警察・愛知県警・岡山県警・愛媛県警などで、Winnyとウィルスによるものと疑われる流出が相次ぐ。利用者をターゲットにすると身内に逮捕者が出るからかどうなのか京都府警は方針転換、2004年5月に開発者を著作権法違反幇助の疑い逮捕した。ユーザー数は2003年8月〜2006年5月であまり変わらず5〜60万前後」。



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2006年06月20日

日米携帯電話業界

について。

いや、ぜんぜん分野が違うんですけど。なんで頼むかなー。
とりあえず図だけ。


phone00.gif


でもまぁ、知らないことだったからちょっとおもしろかったかな。





Cingular/シンギュラー,Verizon/ベライゾン,
Sprint Nextel/スプリントネクステル,MCI,WorldCom,O2,Vodafone,
BT Cellnet,T-Mobile,Orange,AT&T,SBC,Bell South,Bell Atlantic,
Bell Nynex,GTE,日本テレコム,鉄道通信,日産,電電公社,国鉄,NTT,
国際電信電話,DDI,日本高速通信TWJ,デジタルツーカー,デジタルホン,
ツーカーホン,J-Phone,Softbank/ソフトバンク,イーアクセス,
イーモバイル,AOL,アッカ,NTT DoCoMo/ドコモ,KDDI,パワードコム,
au,NTT personal/パーソナル,ツーカーセルラー,IDO,アステル,
DDI Pocket/ポケット,東京通信ネットワーク,鷹山/YOZAN,WILLCOM,
平成電電,カーライル,リップルウッド

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2006年05月09日

著作権メモ

著作権や著作権法の問題を調べようとすると、必ず出てくるのがアメリカの事例のようだ。おさらいしてみよう。

まずは何といってもベータマックス訴訟だろう。1976年に始まり1984年にソニーが辛勝したこの裁判は、タイムシフト、フェアユースなどの概念を世間に知らしめた。ユニバーサルとディズニーが「著作権に付随する独占的複製権を侵害している」として家庭用 VTRを訴えたのに対し、ソニーは日本の著作権法にある「私的複製の例外」を「家庭での録画は、複製と言うより視聴する時間を移動しているにすぎない」というフェアユース概念に昇華し、抵抗した。それぞれの陣営はロビイ活動に奔走したが、すでに売り出されている製品に対する消費者団体の取り込みが奏功したのか、最高裁ではぎりぎりの裁定でソニーが勝訴した。歴史上に残る一件なのかもしれないが、争いの最中からセルのみならずレンタルビデオ屋が繁盛していたことを思い返せば、カネの力でずいぶんと健闘したとは言え、ユニバーサルとディズニーの低脳ぶりが露呈した裁判であったとも言える。

知的所有権つながりで、ベータマックス訴訟と共に言及されがちなのがオートフォーカス訴訟。一世を風靡した AF一眼レフ「αシリーズ」は自身の持つ基本特許を侵害しているとして、ハネウェル社がミノルタを訴えたのが 1987年。1992年の結審後、ミノルタはαの販売額の 10%などを根拠に、一億ドル以上を支払うことになった。その他の日本企業も続々と賠償金を支払う中、キヤノンとリコーとだけがハネウェル側の技術を調べ、明示非明示の違いはあるが結局賠償金の支払いを拒否できたことも有名で、これを「特許戦略の重要性」として説かないセミナー屋はいないようだ。しかしこれもまた、米国式陪審制度に技術への無知を添えた茶番にすぎないとも言えるだろう。「日本人がアメリカから盗んだのだ!」など弁護士が当時の風潮を煽ったという話も散見されるが、それは事実とは異なるらしい。それよりも何よりも、もともとのハネウェル特許が「新規性なし」という理由で日本の特許取得ができなかったことが全てを物語っている。ブランコの横こぎでも特許が取れる国なのだ。

そう言えばアマゾンのワンクリック特許も、日本では却下された。特許関連の歴史はWeb上にあふれている。

特許は脇に置き、著作権に戻る。ハリウッドはフェアユース概念が一般化したのを見て、ビデオソフト上のマクロビジョン重畳を実施、その後VTRへのマクロビジョン積極対応(マクロビジョン検出チップ)を事実上強要した。さらにケーブルSTBへのマクロビジョン追加、オーディオデバイスへのSCMS、デジタル放送でのMPEGコピーコントロールおよびその出力へのCGMS-A強制、CSS騒ぎなどを経て、ブロードキャストフラグやミッキーマウス保護法、DMCAに至る。ただ、ブロードキャストフラグは消費者団体によりひっくり返されたようだ(著作権法に「私的複製」項目のある日本の個人の方がMD課金やデジタル放送のコピーワンス運用などでガチガチに縛られているのが滑稽である)。

著名な作曲家も、新しい楽器を作り出すところから始めはしない。音楽を聴いたことがない作曲家は存在しないといっていいだろう(ゲージツの試みとか話題づくりのみの目的ではいたかもしれないが)。そう、権利者自身は自分の能力を知っているのだ。なのになぜ権利団体が騒ぐのか? もちろん、表現者の才能がない人の集まりは、ピンハネの世界でしか生きられないからだ。あら、数日前の記事に戻ってしまった。こ、これが結論なの? ちょっとかっこ悪いので書き方を変えてみよう。著作権を主張するのは結構だろう。しかしそれを、付随権益の確保・流通や自由貿易の阻害・保障されている消費者の権利への制限に使うのは間違っている。

JASRACがダンス教室やオリジナル曲を扱っているライブバーからまで徴収代行すること、徴収した1000億の配分も不透明なこと、MDのメディアと録音機・音楽CD-Rメディアの私的録音録画補償金制度やその拡張議論、CD規格に則っていないCCCDの強要、流通ソフトウェア開発技術者の逮捕、パッケージの再販制度、などを作曲者や演奏者が主張しているのを耳にしないのはなぜだろうか。

権利権利と「権利代行者」が騒ぎ立てるのは、何も日本だけではない。最近笑ったところでは、ARS(Artists Rights Society)がダリやミロのDoodle(グーグルのトップ画像)にケチを付けたことなんてのがある。椎名さんではないが、彼らには文化がどのように発展してきたのか、また故人はどう思うか、なんてところを考え直してもらいたいものだ。もっと俗っぽく「故人の誕生日をタダで祝ってくれるなんて、これで売り上げが増えるわ」でもいい。マルを三つ描いた途端に弁護士が飛んでくるという噂(笑)のディズニーも、創作と収入とのアンバランスさだけでなくプロダクションとして原作者を軽視しているという部分において、権利代行者の最悪な例と言えるかもしれない。

[*] フェアユース
アメリカ著作権法107条。批評や研究、教育目的などでの例外規定。日本の著作権法30条にある私的複製概念は明記されていない。

[*] マクロビジョン
VHSテープに記録されたコンポジット信号の同期部分に規格(1Vp-p/75Ω)を超えた輝度信号を挿入し、受け側(録画機)の AGC回路を誤動作させて録画させることによりダビング画質を落とすアイディアのことで、アンチテーピングと呼ばれたこともある。TVでは規格外信号も受け入れられるのに対し、VHSではテープに磁力で記録する原理上、入力信号を積分的に扱って有意なシグナルレベルを作り出して記録した方が画質的に有利である。この AGC回路という親切を裏切るように、マクロビジョンは画面外の同期パルス部分へ激しい輝度を重畳してそれ以外の映像部分のダイナミックレンジを圧縮させることで、結果として輝度の落ちた画像を録画させる。業務用の VHSデッキ・多くのベータやアナログ 8mmデッキ・1980年代頃以前の製品では、AGCが搭載されていなかったり offにすることができたりすることがある。

ある意味ハッキング的なこのアイディアも、重畳信号をダイナミックに変化させる(これによってダビング画像は明暗が変化)・カラーバーストにも手を入れる(これによって色が虹のように変化)などの機能追加後は、事実上単なる「マクロビジョン信号検出回路」をVHSに限らない録画機器に載せるだけの運用となった(実際、映像入力処理のICには、マクロビジョンからライセンスされた回路が入っている)。繰り返しになるが、この文脈でのマクロビジョンとは、アナログコンポジット(RCAピンの黄色いプラグやMini-DIN4のSプラグ)から入ってくるものを録画不能にするものであり、受け側の反応は「変化なし(古いビデオなど)」「画面が乱れる(もともと期待していた反応)」「録画不能(マクロビジョン検出ロジックによる)」となる。

以上のように、マクロビジョンとは「コンポジット信号の同期部分への細工」であるから、DVDそのものに掛けられていたりはしない(←多くのWebに間違った記述がある - DVDの動画は MPEG-2 PSは同期区間を除いた画像部分のみをエンコードする)。DVDプレイヤからアナログコンポジットを通じてのコピーができないのは、プレイヤがDVDに記録されたCCI(コピーコントロール情報)を解釈し、それを積極的にマクロビジョン付加信号として出力しているからに過ぎない。ここにももちろんライセンスが発生している。つまり、録画機の製造にも再生機の製造にも、そしてVHSの製造にもすべてマクロビジョンのライセンスがかかっているわけだ。

マクロビジョン社も、特許行使料が伸び悩む・権利が消滅するなどの危機感を持ったからか、最近は偽CD(CD規格から外れたディスクを作成することによって、PCに繋がれた CD-ROMドライブでのコピーやリッピングを防止するしくみ)へも手を伸ばしている。CCCDは全世界で大々的にプロモートされたが、ここ最近は下火のようだ。CDの出荷は増えているらしい。リッピングでCDが売れなくなった(これが偽CD導入の理由)、ネット配信でCDが売れなくなった、と騒いでいたレーベルに、今一度ご意見を伺ってみたいものだ。

[*] CGMS-A
コピー世代管理(Copy Generation Management System)のアナログ(Analog)適用。垂直同期信号内にフラグが重畳しており、受け側がそれを解釈する(解釈できない場合は、マクロビジョンと違って映像信
号にほとんど影響しない)。「デジタルのチューナがデジタル放送のMPEGビデオエクステンションにあるフラグを見て、アナログコンポジット出力にCGMS-Aを付加する」などの運用がなされているようだ。

[*] カラーストライプ
マクロビジョンによるコンポジット信号操作のうち、カラーバーストに手を加えて録画画像に色の変化をもたらすもの。マクロビジョンと分けてある記述が多いが、間違いである。

[*] CSS (Content Scrambling System)
DVDに採用されたコンテンツプロテクションのしくみ。当時のアメリカの法律により輸出できる暗号鍵長が40bitまでに制限されていたため、CSSを開発した松下も鍵長をその短さにせざるを得ず、これがXing TechnologyのソフトウェアDVDプレイヤの鍵実装の不備と共にDeCSSを生む土壌となった。LinuxにDVDプレイヤをもたらした直接の功労者であるノルウェイの少年は後付けの理屈で逮捕されてしまい、その後のDMCAなどへの布石となる。

[*] ブロードキャストフラグ
2005年7月からアメリカの地上デジタル放送のMPEG EITやPMTに含まれることになっていた、FCC強制のコピーコントロールフラグのこと。フェアユースでないもの(インターネットによる再配信など)を防ぐ意図であり、B-CASやコピーワンス運用など「縛り方向」の日本にくらべて大変に緩い規制であったが、それでもFCCは原告団体に負けた。FCCの巻き返しが注目される。

[*] 同期パルス
一般に平面メディアの走査は、画面に向かって左から右へ水平に掃かれた水平走査線が、順に下に下りて行き、1フィールド(垂直走査)が終わるとまた上に戻るということが繰り返されている。一本の水平走査を終えた輝点は急いで画面の左端に戻ることになるが、この戻る期間を HBIとか水平ブランキング期間と言ったりする。HBIが HBIであることを機械に教えるために、その中に映像信号と違ったパルスが入っており、それを水平同期パルスと言ったりする。具体的には、輝度信号がマイナス方向に振れるようになっている。垂直走査にも同様のVBIとか垂直ブランキング期間とか言われるものがある。



…うーん、調べている内にテレビのしくみとかコピーコントロールのしくみとかに入り込みつつあります。

ていうか、用語説明が異様に長くなりつつあります。表にでもまとめた方がいいでしょうか。



追記
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2006年05月08日

ワンセグ、IPマルチキャスト、著作権

ということで、ワンセグの問題はズバリこれ。

● 「Cプロファイル非リンク通信コンテンツ(二次リンクとか言うこともある?用語を増やすのはやめてください)」が「放送と通信の連携」だそうだが、放送(みんな向け)から個人向け(好みや位置情報との連携など)以外のリンクに何が考えられるのだろうか。昔から2-way放送などで必ず出てくる「クイズ番組への参加」ですか?

● エリアも複数(ワンセグ×パケット)なら端末の仕様も多様。携帯ワンセグ端末(2004年10月、トヨタは12セグの走行受信実験に成功している)としての魅力があり、かつ何かの要素が欠けていても成り立つサービスがあるか?

ただし

○ 地上波放送局としては、パイの中で CM予算を持って行かれるばかり(IPマルチキャストや IPユニキャスト、CSなど)ではなく、自身でコントロールできるものがワンセグ、という「後がない」的なモチベーションはある

かもしれない。携帯事業者は当然「TVをタダで見られてしまい、パケットや通話が減る」ことに対して危機感が強い(ドコモの中村社長は、2006年3月30日に「今のワンセグではメリットなし」として「有料放送化も視野に入れ、総務省にも制度整備を要請する」ようだ)わけで、ここらへん、携帯事業者と放送局との出方を見てみるのもおもしろい。

さて、ワンセグも飽きてきたので、上でちょっと触れたIPマルチキャストの日本での位置付けを見てみたいと思う。

個人的には通信と放送が制度的に分かれていること自体お笑いだと思う(技術が進歩していなかったから法の不備は仕方がないという論があるが、たとえば無線・有線の区切りや放送という言葉の定義などを見ても、現行法の視野の狭さや想像力の欠如は明らかだ)し、県境をもとにした免許制度も破綻していると思うが、どうもこのあたりの議論は細かいところから入る場合が多いようなので、一応技術方面も押さえておく。まずは基本。
・レイヤ3である(同じセグメントならレイヤ2もあり得る) - ここは、勘違いが多いらしい。これだけ騒がれているのに、2005年時点で某放送局の社長さんはわかっていない(あれはユニキャストとマルチキャストとの違いがわかっていないのか、あるいはUDPとIPマルチキャストとが混乱しているのか?)ようだし、2006年になっても評論家やシンクタンクが軒並み勘違いしている有様のようだ。
・よって、それに対応したネットワークが必要 - 実験やサービスは、ちゃんと各ルータをマルチキャストで正しく設定したネットワーク(具体的には一つのISP内、CATV事業者のネットワーク内、など)で行われる。
・すでに規制緩和「役務利用放送」の事業者として数十の事業者が登録されており、その中で2006年4月現在で4つのIPマルチキャスト放送が事業として開始されている(が、テレビ放送の同時再送信は実現していない)。一方、ONUからFコネクタが出ているタイプ、またはSTB利用のサービスとしては、同時再放送が開始されている。

この上で、「インターネットなんだから誰が何つっても通信」「マルチキャストだって"公衆からの求めに応じて自動的に行う送信(著作権法2条1項)"だから通信」「サービス全体を見ると放送そのもの」「放送権上地域限定が必須」など、また既得権益の防備を意見に見せかけた論議が行われているようだ。権利権益中間ピンハネ団体が多いことから、放送法と言うよりは著作権法上での応酬がほとんどである。まとめるとこんな感じだろうか。

inaka01.gif

竹中さんも大変ですね。
例の日本芸能実演家団体協議会が「実演家の権利は流通を阻害していない」とか逆ギレしていますが、流通を阻害しない権利管理システムを構築してからこういうことは言って欲しいもの。あ、やり始めたばっかりですか! http://www.cpra.jp/web/news/060208/index.html まぁJASRACと一緒になってPCや iPodから録音補償金を取ろうなんて団体なので、時代錯誤なのはしょうがないのだろう。ちなみにここの椎名さんという方の資料を読むと、妙な読点といい小学生のような提言といい、なかなか香ばしい方のようだ。香ばしすぎて、IPマルチキャストはあっさり放送として認められそうな気がしてきた。

ちょっと著作権に関しても調べたくなってきた。Rくん、きみの術にはまりつつあるよ。







posted by akko at 22:28| Comment(1) | TrackBack(2) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月21日

ワンセグ補足とか。

 ワンセグがなんだかわからなかったのでいろいろ調べていたのだが、なんだか
妙な流れがたくさんあるようだ。
・CCIはワンセグもコピーワンス。地デジの方ももめているようだ:
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050729/soumu1.htm
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20051222/soumu1.htm
(2004年4月5日より本格導入、メーカー側はJEITAから見直し提案が行われたが、NHKなど放送事業者側がゴネている)
・「Cプロファイルリンクコンテンツ」でもWebに飛べる。URL制限を行う場合の不整合、また放送と通信のエリアが同一でないことからの不整合。
・一生懸命、放送と通信の融合とか、いや融合ではなく連携とか言っている(言葉遊びしてる場合なのか?)が、結局みんな儲けたいだけ

などなど…

月並みな話だが覚え書きとしてまとめておきたい。

 大真面目で「放送はライフラインであり、災害時の情報発信なども含めて公益事業としての側面が強い免許事業。善悪の判断のつかない子供に清濁混合のコンテンツを垂れ流しているネットとは違う」「地域再送信が認められれば、地方局の存在によって成り立っている情報の多様性が失われる」などと言い切ってしまう人がいる。おじいさんならまだしも、これがシンクタンクや広告業界人だったりするのが始末に負えない。この人たちは、
・スポンサーや代理店の意向そのままのドラマやバラエティ(これをおもしろがる多数の人がいることは了解事項)、それ以上にニュースの選択もスポンサーに縛られているという事実
・阪神大震災で「温泉のようです」とレポートした筑紫哲也ほか、ニュース界隈にすらまともな人間がいない現状
・CMスキップはもちろん、アナログビデオ録画にすら対応していないビデオリサーチ社の数字を神と崇める愚かさ
・最近の事故や地震での速報性ではインターネットや PHSなどがマスコミを圧倒しているし、そもそも放送の中継は IP網を使っていたりする現実
などに関してどう思っているんだろうか。

 地方局というのは、「訪れた観光客」が「舌鼓を打っていました」というような毒にも薬にもならないホームビデオ状のものを作るところである、というのが一般人の認識であろう。記者クラブや製品発表などで提灯記事を書き、権威側の発表は鵜呑みにし、栄村の実験は見捨て、自分以外の不祥事を騒ぎ立てるというマスコミが自ら公益事業とは、へそが茶をわかす言い草だ。

 総務省でいろいろやっているが、あの無法者、孫くんが立派に見えるぐらいだ。

 電通が「CMビジネスモデルは大丈夫」と必死(http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/20/news089.htmlなど)だ。 彼らはいろいろな団体(国!?)がうしろについているから大丈夫だと思っていたが、この姿勢は最近のレコード業界やJASRACの見苦しさに通じるものがある。まぁ、表現者の才能がない人(業界)はピンハネの世界でしか生きられないので必死なのだというだけの話、当然と言えば当然だ。ただ、CM市場というのは日本で2兆円、アメリカでは8兆円とのこと(全広告産業であればそれぞれ約2.5倍)。本気になればまだまだお金は取れるということである。








posted by akko at 22:11| Comment(0) | TrackBack(0) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年04月17日

地デジ、ワンセグ、H.264、…

2006年4月1日に本放送を開始したからか、ワンセグワンセグうるさいようだ。我が家には14インチのテレビデオ(しかもフナイ製)があるぐらいで、親概念である地デジすらおぼろげな遠景のごとく実感がない。

(そういえば地上"波"デジタルだったのが、いつの間に地上デジタルになったの? なんか地面を這ってやってくるみたいで不気味です)

ちょっと調べようと思ったが、その前にとりあえず一般人から見た放送業界の眺めをまとめてみよう。

0. 1990年家電業界:
 家電儲からねぇなぁ。だいたい、もうテレビとか洗濯機とか、そんなに売れねぇじゃん。その上アナログハイビジョンはNHKにだまされたよなぁ。ガンガン作って余っちゃった横長ブラウン管をどうしようか頭抱えたけど、あれは普通の4:3放送をびよーんと伸ばして「ワイドテレビです」とか言ってみたらみんなコロっと騙されたからよかったものの、メディアへの金がもうちょっとでも足りなかったらヤバかったよな。出演者がみんなデブになるテレビなんか売れるわけないと思ってた(笑)けど、さすがプロの広告屋は違うわな。 
 それにしても、ちょっとひねったもの出してもすぐ韓国や中国にマネされて利益出ねぇし、それで特許戦略とか言ってみても末端社員はロクでもねぇ特許でケンカすることだと思ってるし、困ったもんだ。もっともこれは煽ってるエセ実業家も悪いんだけど。プレジデントとかありがたがってる手合いのね。それはそれとして、なんか無ぇのかよ、ネタは。
 お、アメリカではデジタル化をマジでやるみたいだね。なるほどアナログ止めちゃえばデジタル放送波のチューナが何億台も売れるもんな。これ日本でもやってもらおう。

1. 2000年日本家電業界:
 マジでやってくれそうだ。ま、あんだけ金積みゃあな。うちの会社も、次世代ディスクや平面ディスプレイで先行きゴーゴーに見えてそうでもねぇから、地デジでなんとかしてもらわねぇとな。BSデジタルや110はどう見ても失敗しそうだから開発抑えたけど、そろそろマジヤバいってんで地デジには突っ込んでるからな。

2. 2000年携帯電話業界:
 TV電話なんて使うわけないのに開発してんのは、将来動画ストリーミングでパケット代儲けたいからに決まってんじゃん! 放送なんかされたら誰が儲けるんだよ! 

3. (?)年コンテンツホルダ
 えー。伝送路? なにソレ? なんでもいーよー? 次世代ディスク? デジタル放送? 配信? え? え? (ぶくぶくぶく)

4. 2005年日本家電業界:
 なんなんだこのデータ放送仕様は(笑)。おかげでソフト開発費の見通しがめちゃくちゃだよ! ただ停波は停波だからな、もうちょっとの辛抱だ。停波ってのがイメージ悪いからって「アナログ放送終了」だなんて、D-Paも細かいところまでよくやってくれるよ(笑)。

−−

 そんなこんなで地デジらしい。で、6MHzの刻み(VHF/UHFとも、白黒時代から延々と続いてきた割り振り)を生かすにあたって、それを単に周波数軸方向に 14等分して右端をガードバンド(使用せず)とし、残りの13"セグメント"を使用。 中心の1つを使ってショボい放送をすることを可能にし、それをモバイル用として使う方法がワンセグということのようだ。
 日本はアメリカに比べてケーブルが発達しないこともあって、UHF局は結構たくさんあるらしい。VHFはハナから無理なので地デジは UHFに入れるとしても、本放送のチャンネルをそのまま確保することはできなかったので、既存局を移し変えたりしないといけなかった。なんか場当たり的ですね。
 どうせならということでデータも送っている。ここで何か汎用のものを使えばいいのに、さすが日本。BMLという XMLサブセットの特殊言語を使っている。この結果、BMLエディタというものははきわめて高価なもの(数百万円)になっているらしい。仕様はARIB STD-B24 "デジタル放送におけるデータ放送符号化方式と伝送方式"に述べられている。既存の規格ではなく、しかし家電メーカーが採用するチップ能力の最大公約数的な仕様を新規に作るということでARIBも苦労したらしく、なかなか味わい深いもののようだ。たとえば
・動画プレーン、動画静止画切り替えプレーン、字幕プレーンなどがあるが、一部プレーンはピクセル数が1/4だったり、図形の重なりが禁止(重なった部分のプレゼンテーションは不定)だったりする
・静止画領域の形状が細かく定められている(曲線は使えない、矩形領域も5以上は禁止、など)
・使えるファイルフォーマットが非常に狭く定義されている
・コードは EUC

 また、ワンセグを含めた運用規定としてARIB TR-B14 "地上デジタルテレビジョン放送運用規定"があり、ここにワンセグ用のCプロファイルというものがあるようだ。
・コードは Shift-JIS
・NVRAMは12局×24KB(県境とか越えるとどうなる?)
・映像とデータ放送はいかなる時も両方同時に提示されることが推奨されるし、番組と直接関係していないコンテンツの場合はそのデータだけが表示されることが望ましいとのこと(テレビばかりみられてもパケ代が稼げない携帯キャリアが「テレビからのシームレスな連携でいつのまにかパケ代」を狙っていたことへの牽制か?)

 だんだん香ばしくなってきました。 正確には、

■ データ放送コンテンツ:データ放送そのもの、パケ代は当然かからない
■ Cプロファイルリンクコンテンツ:データ放送に関連した「Cプロファイルデータ放送ブラウザで放送コンテンツと同時に提示されることを想定したコンテンツ」(自己言及定義!?)
 データ放送そのものから「launchDocument("http://www.hoge.jp/a.bml")」や「<a href="http://www.hoge.jp/a.bml">」で最初に飛ばされたベースドメインにいる間、またそこから X_DPA_launchDocWithLink()によって遷移したベースドメインにいる間をリンク状態と言う。リンク状態の外に<a href="">などで出ようとするとエラーとなり、スタートアップ文書(データカルーセルESの中でcomponent_tagが0x80であるエントリーコンポーネント内にあるstartup.bml)に飛ばされる。ちなみにリンクコンテンツからデータ放送コンテンツにはlaunchDocument("arib-dc://-1.-1.-1/80/0000/startup.bml","cut)などとして戻る。256KBまで、他のBMLへのリンクが終了コマンドを記述。
 つまり、パケ代がかかることもかからないこともあるが、その区別はユーザーに対する「通信費がかかります」的なポップアップ画面などで判断するしかない。
 ARIBは「外の」サイトと映像との同時表示は妙に嫌がっているが、実際には映像のみのモードになる携帯端末もワンセグを見ながらメール操作ができる携帯端末もある。そりゃそうよね。
■ Cプロファイル非リンク通信コンテンツ:「Cプロファイルデータ放送ブラウザで放送コンテンツと別に表示するコンテンツ」
通信事業者仕様通信コンテンツ:iモードやEZwebなど
 これらにはX_DPA_startRegidentApp()で遷移。ただし、放送と同時に表示しないという原則に則っていれば、別にデータ放送ブラウザで表示させてもいい。

ということ、かな。

 ちょっと戻って、全体的なこと。映像はMPEG-4 Part10 AVC(H.264)でARIBにはいろいろなレベルのガイドラインがあるようだが、実際には320x180(16:9)x15fpsで200kbpsぐらい。音声はMPEG-2 AAC SBRであり、システムはMPEG-2 TS。これを、他の12セグメントと共にRemuxしてOFDMで5617本/6M(432本/セグ)の(16QAM|QPSK)を伝送するようだ。

 2008年には地デジ免許更新があるが、それまでは現状の免許基準の解釈によりワンセグは本放送と同じサイマルであるということだ。それ以降に独自番組が(作るか|受けるか)は未知数。現状、パケ代もあまり儲からないため、視聴者側にくらべて事業者側は盛り上がりに欠けるようだ。








---
ものすごい時期の逸し方だが、
http://satoshi.blogs.com/life/2005/10/post_5.html
というのを見かけたので、トラックバックさせていただく。 
posted by akko at 20:56| Comment(15) | TrackBack(1) | メモ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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